だいたいう◯こ!DU薬って何?
さて、汚い話ではありません。
以前薬の体内での動きをまとめましたが、それを応用した話となります。
体内での動きの話はこちら
さて、DU薬と言われる分類ですが、実は略さずに言うと、「だいたいう◯こ(DAITAI UNKO)」となります。
◯になんの文字を入れるかについては皆さんの想像にお任せます。
え?見えてるって?
そんなことはないですよ。
さて、なぜそのように呼ばれているのか、何が問題なのかについてまとめていきたいと思います。
どんなものがDU薬?
- セフジニル (商品名:セフゾン)
- セフジトレン (商品名:メイアクト)
- セフカペン (商品名:フロモックス)
- セフポドキシム (商品名:バナン)
などで「第3世代経口セフェム」と言われるような分類がDU薬と言われております。
おそらく飲んだことある人が多いと思います。
私も飲んだことありますし、現在の外来での抗菌薬の処方の大部分を占めてるような分類の薬となります。
なぜDU薬と呼ばれるように?
さて、なぜDU薬なのでしょう。
実はこれらの薬、飲み薬で販売されているのですが、腸からほとんど吸収されません!
「飲み薬なのに!?」と思われた方もいると思いますが、そうなんです。
10%〜50%程度しか吸収されないと言われております。
では残りの50%〜90%はどこに言っているのでしょうか?
この分が腸をそのまま通っていき便と一緒に出てくるそのためDU薬と言われることとなります。
他の抗菌薬では90%程度吸収される薬が多いので、「第3世代経口セフェム」ではだいぶ少ない量となります。
とは言っても、これらの薬だけが腸からの吸収が悪いわけではなく、世の中の薬では0%でも数%でも飲み薬になるものがあります。
吸収されないことの問題点
ではなぜ「第3世代経口セフェム」だけそんなに吸収されないことが問題と言われるのでしょうか?
問題は便に流れて行った時の薬の効果となります!
他の薬だったら吸収されなくとも便としてでるだけですが、抗菌薬ですと吸収されなかった分が腸内の細菌を殺し回ることになります!
ということは、吸収率は低いので、聞いて欲しいところには十分な量が行かず、不必要な腸管にも効果がいってしまうわけです!
腸内細菌に作用することで、下痢になる人が出てくる他、量が少ないこともあり耐性化に繋がる恐れもあります。
先ほど説明した吸収率0%の薬ですが、これも実は抗菌薬となります。
「は(@_@;)!?今までの説明と違うじゃん!」ってなるでしょう?
そうなんです( ´艸`)
この時使われる抗菌薬なのですが、0%のものは腸管内の菌に対して使われる薬となりますので、吸収される必要がないのです。
そのため、むしろ吸収されずにいた方がいい薬となります。
う〜ん、難しいですねぇ
要するに、どこに狙っている菌がいるか、その抗菌薬は狙っている部分に届くのかといったことが重要となってきます。
それ以外の問題点
今回取り上げている「第3世代経口セフェム」ですが、これ以外にも問題点はあります。
子供に対してもよく使われるような抗菌薬ではあるのですが、低カルニチン血症と言われる疾患となり、低血糖・痙攣・脳症などの症状が起こることがあります。
また、抗菌薬は使用すればするほど耐性菌が増えやすいという風にも言われております。
第3世代セフェムは飲み薬以外にも注射の薬もあり、様々な最近に対して効果があるためよく使われております。
そのため、耐性化が進んでしまうと使える抗菌薬の選択肢が狭まってしまうのです!
DU薬は効かないの?
効きます!
効果に関しては他に劣らないという結果が証明されているため、しっかりと効きます!
効果はありますし、医師も考えがあって処方しているので、飲むのを中止するといったことはやめていただければと思います。
効果はありますが、その効果のメリットと副作用や耐性化を考えた時のデメリットを考えた時にデメリットの方が多いというだけです。
実際、他にもっと副作用が少なく効果は同等の薬があるので、そちらを使えばいいのです。
ただ、日本では「第3世代経口セフェム」がよく使われているのが現状です…
企業のマーケティング力恐るべし…
ということで、DU薬についてまとめてきました。
効果があるんだから良いだろうという人も結構いていまだに使われ続けているような薬なのではないかと思います。
私自身は他で代用できるので不要ではないかと思ってしまうのですが…
まぁあくまで飲まなくて良いと言ってるわけではないということだけ気をつけていただければと思います。