薬が体に入ってからでるまで! ADMEとは?
実は、私はこのタイトルの事が気になって、薬学部に進もうと思いました。
実は、薬って何かの効果があるだけじゃ薬として使用する事ができません!
薬といえど、身体にとっては「異物」である事は確かなので、しっかりと身体の中で分解されたり、体外に排出される事が重要となります。
「体内に吸収され、効果があり、副作用がなく、体外に排出される」
ここまでが良い薬の定義となります。
今回は薬が体内に入ってから体外に出て行くまで、薬学部的には薬物動態と言われる分野について取り上げようと思います。
ADMEとは?
まずは簡単にですが薬は、
- 吸収(absorption)
- 分布(distribution)
- 代謝(metabolism)
- 排泄(excretion)
といった流れを身体の中で辿ります。
全ての英単語の頭文字をとって、ADME(アドメ)と言う風に言われます。
簡単にそれぞれまとめていきます。
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吸収(absorption)
身体の中に薬が入る段階です。
この時、身体の中と言うのは飲み込んだと言うことではなく、薬が血液の中に入る事を言います!
血液中に入れるという事なので、点滴では入れたい量全て入れる事ができます!
一方で、飲み薬だと一部体内に取り込まれずに便として出てくる事がある上、血液中に入るまでに時間がかかります。
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分布(distribution)
吸収された薬が身体の中に広がる段階です。
血液中に広がった薬が血液中から身体の組織へと広がって行きます。
薬が水の中を好むと血液中や細胞内のみずに広がりやすく、油の中を好むと脂肪組織に広がっていきます。 -
代謝(metabolism)
一部の薬が身体の中で変化する段階です。
基本的に「肝臓」で行われ、薬の構造が変化します。
この変化によって、薬としての効果が失われるものもありますし、薬として効果が現れるようになるものもあります。
基本的には代謝が行われる事で、身体から排泄されやすいように変化していきます。 -
排泄(excretion)
身体から薬が体外に出る段階です。
おしっことして出されるものと、胆汁と言う消化液から出されるものとがあります。
その他にも微量ですが、唾液、汗、母乳、息から出る事もあります。
となります。
これが、薬が体内に入ってからの流れとなります。
塗り薬や吸入薬など、この定義にあまり当てはまらないものもありますが、飲み薬や点滴薬などは基本的にこの内容に当てはまります。
これらADMEの段階を色々と工夫する事で、例えば薬を長く効くようにしたり副作用が出難くする様な薬もあります。
これは「製剤学」と言う分野となるのですが、これについてはまた機会があったら取り上げようと思います。