風邪に抗生剤!これは間違い!?
久しぶりに医療の話を!
ここでは、難しい話ではなく、医療に携わってないかたを対象に書かせていただきます。
なるべくわかりやすく書きたいと思います!
「風邪といったら抗生物質!」
と思っている方多いと思います。
私も大学で学ぶまで「風邪といったら抗生物質!」と思っていました。
まぁこれ、絶対に間違っているとも言えませんが、8割程度間違ってると言われています!
それでは何が違うのでしょうか?
まず始めに、
所謂風邪と言われるかぜ症候群、原因微生物は何かご存知ですか?
だいたい80~90%がウイルスと言われております。
この時の原因ウイルスはライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスと言われるものが多いです、参考までに。
このウイルスなどの微生物が体内に侵入し、増殖することで発症するとされています。
実はここに問題があります!
では、原因がウイルスとわかりました!
このウイルスを退治できる薬を使えば問題ないのです!
よし、抗生物質の出番だ!
…ここが間違っているのです。
実は抗生物質なのですが、ウイルスに効果がありません!!!
抗生物質は細菌に分類されるものに効果があります。
身近なものでいうと、乳酸菌や大腸菌、腸内細菌といったものが分類されます。
これらが原因になると抗生物質の出番となるのです。
では、どうして風邪に抗生物質が処方されるのでしょうか?
原因は様々なものが合わさってるとされています。
よく言われているものとしては、
- 患者が納得しない
- 悪化を防ぐ
- 細菌感染による感染症の可能性を潰す
といったことが挙げられます。
「おいおい待てよ、納得しないってなんだよ!?」
…と思った方!!!
ここまで読んだ上、理解してくれてありがとうございます。
では読む前に一度知識を戻しましょう。
あなたは風邪を引きました。
熱が出て鼻水はダラダラ、咳も出る。
そんな中、近くのクリニックに行きました。
医師「風邪ですね。ほうっておけば治るでしょう。薬?いらないいらない。大人しく家で寝ててください」
…納得できますか?
実際、ほうっておけば治るというのは事実です。
身体の中でウイルスや菌と戦う白血球というのがそのうちウイルスをやっつけてくれて、症状は基本的に良くなります。
なので、ここでいう医師の言っていることは間違いではないのです。
しかし、昔からの影響で、「風邪=抗生物質」という方程式が出来上がっている人には通用しません。
「あの医師は風邪引いたのに抗生物質すらくれなかった」と噂されてしまう可能性があります。
実際びっくりするのが、
「抗生物質(抗菌薬)は風邪をひいたときに効果がある、と思っている人は43.8%」
「風邪のときに抗生物質を処方してくれるのは良い医師、と思っている人は33.3%」
といった統計が実はとられているんです!
残った原因については簡単に。
悪化を防ぐ というのは、元の原因がウイルスであっても、体調が悪くなった所に追い打ち的に菌の攻撃にあい、さらに悪化することがあり、これを防ぐ目的となります。
これも肺に感染源があるとされている場合には少し違うのですが、だいたい4000人治療して1人が良くなる程度と言われているようなデータもあったりします。
細菌感染による可能性を潰す というのは、ウイルスによる可能性が80~90で、そのほかの原因の大半を占めるのが細菌による感染が原因のためとなります。
いかがだったでしょうか?
このように、風邪に対して大半が抗生物質がいらないものとされています。
では、どのようなものに必要となるでしょうか?
このような必要、必要でないを判断してくれるのが医師となります。
なので、私たちが出来る事とすればもしも医師に「ただの風邪だから抗生物質はいらないよ」
と言われた時に「わかりました」
と言える事だと思います。