病院薬剤師さささっぽのブログ

3年目の病院薬剤師! 薬剤師として未熟者です。わかりやすくをモットーに薬や医療の話をする他、風景、夜景、星空など写真を撮ったものの紹介、雑談もします。

またまた珍しい症例! コッホ現象とは?

昨日は腸管を見せてもらって、珍しいもの見たなぁと思ってましたが、今日は今日で珍しい症例をみました。

年末で仕事納めに向かっているなか、立て続けに珍しい事が起こっており大変です…。

 

 

皆さん、二の腕に「はんこ注射」の跡ありますか?

残っている人も中にはいると思いますが、私は消えています(^^)

まぁどっちにしても大人になったらあまり関係はないのですが。

今回はそのはんこ注射に関わってくるコッホ現象の話。 

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はんこ注射って言葉が有名になってますが、実際何を投与されているかご存知ですか?

はんこ注射はBCGワクチンを投与するための注射で、結核に対する抗体を作るためのワクチンとなります!

BCGワクチンは生後1歳になるまでに接種が推奨されていて、打つと針の部分が赤くなったり硬くなったりした後、化膿してカサブタを作ります。

この化膿した部分が大人になっても跡として残る人が一部にいるわけです。

 

 

さて、BCGワクチンを打つまでに最長で1年くらいは結核に対して抗体を持たないまま成長します。

この間にも運が悪いと”結核菌”や”結核菌に似た菌”に感染する可能性があります。

BCGワクチンを打つ前に”結核菌”や”結核菌に似た菌”に感染していると、BCGワクチンを打った後比較的早期に注射部位が赤く腫れ上がったり化膿したりジュクジュクになったりすることがあります。

本来では接種後5〜6週程度経ったのちに強く出てくるとされていますが、接種後1週間以内に怒るとされています。

この現象をコッホ現象と言います。

 

結核菌は感染しても体内に留まっているだけで症状が出ないこともあります。

これを、潜在性結核感染症と言います。

色々なリスクによって結核菌が活動的になることがあるので、治療対象となることがあります。

 

 

ということで、今回は「BCGワクチン接種後コッホ現象が起こった小児で潜在性結核感染症が疑われ治療が開始される」といったことがありました!

全部が詰まってますね。

まぁこれを説明するためにまとめているので、詰まっているのは当たり前ですが。

 

珍しい症例にあたりました!

珍しい症例を経験することによって知らなかったことをいっぱい知れることになりますし、印象に残りやすいので、経験としては良かったと思います。

ただ、年末に立て続けに色々なことが起こるのは、正直気が気じゃないので、控えてほしい…(´・ω・`)