インフルエンザが本格的な流行シーズンへ! どんな予防方法があるの?
厚生労働省から、11月15日にインフルエンザが全国的に本格的な流行期に入ったと発表がされました。
先日流行った際にはラグビーW杯などで外国人の日本への旅行が増えたことによってインフルエンザが流行りましたが、それもあってか毎年の流行も例年より少し早めにきましたね。
それでは、インフルエンザについてまとめていきたいと思います。
インフルエンザの基本知識
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こされる疾患です。
ウイルスの直径は約100nm程度。
A型B型C型の3種類の型があり、大きな流行を起こすのは主にA型とB型の2つで臨床上のインフルエンザは主にこの2つを指しています。
ウイルスの表面に赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)があり、さらにA型インフルエンザはこのHAとNAの組み合わせ分抗原性が異なる。(HA=16通り NA=9通り 16×9=144通りの抗原性)
体内に取り込まれてからの潜伏期間は1〜4日。
症状としては悪寒、発熱、疲労、咳、節々の痛み、頭痛など。
感染経路と経路からみた予防
インフルエンザは感染の予防が非常に重要になってきます。
その為には、まず感染の経路を知っておく必要があります。
インフルエンザは主に”飛沫感染”と”接触感染”によってうつるとされています。
飛沫感染
感染している人のくしゃみや咳によって出てくるしぶきを他の人が吸い込むことによってうつる経路。
約2m以内にいると可能性は高い。
対策としては、感染している人も感染していない人もマスクをつけることで対応できます。
感染している人は他人にしぶきを飛ばさなくなり、感染していない人は感染している人からのしぶきを防ぐことができるわけですね!
接触感染
感染している人のつばや鼻水が手に付着、その手でドアノブやつり革などを介して別の人の手に付着、その後口や鼻、目などを触ることで感染します。
対策としては、こまめに手洗いをすることとなります!
付着してなければ大丈夫なわけですね!
「付着してても触らなければ言い訳でしょ?」となる方もいるかもしれませんが、実は人って無意識に顔を触っているんですよね!
なので、触らない様に気をつけるよりも、こまめに手を洗う方がリスクは下がります。
化学的な予防方法
仰々しい言葉ですが、簡単に言うとワクチンや薬による予防方法です。
反ワクチン派なる人たちもいるみたいですが、私としてはその人のただの感情論で自分だけでなく周り、しまいには子供にもそれを押し付けて危険に晒すとか考えられない行動ですが、それはまた別の話。
ワクチンと予防投薬の話を簡単に。
ワクチン
インフルエンザワクチンは発症をある程度抑える効果に加えて、重症化を予防する効果があります。
13歳以上は1回もしくは1〜4週あけて2回、13歳未満2〜4週あけて2回接種が推奨されています。
実は成人してからも2回接種は可能なんです!
やっている人はほとんどみませんが。
妊娠中も全期間で接種できますし、高齢者においてはむしろ積極的に接種が勧められております。
抗がん剤投与を行なっている人だと、免疫機能下がっている期間などがあるので、抗がん剤のスケジュールとワクチンを接種する時期を調整しなければなりません。
医師や薬剤師に相談いただければと思います。
上にも書きましたが、インフルエンザに様々な型があること、抗体がそこまで長く持たないことから毎年の接種が勧められております。
さらに、インフルエンザワクチンは「今年この抗原性が流行りそうじゃない?」というので外れてしまった時は大惨事になることも考えられます…
インフルエンザワクチンの問題点は卵アレルギーを持っている人は接種ができないということです。
ワクチンを製造する段階で卵を使用している為に卵の蛋白が混入してしまうことから、接種が禁止されております。
ですが、実は米国では卵アレルギーの人でもワクチンを接種する様な方向性にシフトしているそうです。
「卵アレルギー」と「インフルエンザワクチンによるアレルギー」は別物と考えられる様になってきているわけです。
もちろん、インフルエンザワクチンを接種してアレルギー反応を起こしてしまった人には投与しませんが…
まぁこの流れが日本に定着するにはもう少しかかるでしょうか…
予防投薬
最終手段で、治療で使う薬を予防として使う方法となります。
家族で出てしまってどうしてもうつりたくない、院内で広がり続けててこのままだと患者にもっと広がったり医療従事者の人数が減って仕事にならない時などには使うことがあります。
基本的に自費扱いで保険はきかないので、お金はかかります。
治療薬
治療薬については過去にまとめてますので、そちらの記事をご覧ください。
一応表だけ持ってきておきます。
製品名 (一般名) |
投与経路 | 剤形 | 用法 | 価格 (成人投与) |
予防投与 | 小児 | 新生児 |
タミフル® (オセルタミビル) |
経口 | 錠剤 ドライシロップ |
1日2回 5日間 |
\2,720.0 (¥1,360.0) |
可 | 可 | 可 |
リレンザ® (ザナミビル) |
吸入 | ドライパウダー | 1日2回 5日間 |
¥1,471.0 | 可 | 可 | 不可 |
イナビル® (ラニナミビル) |
吸入 | 吸入粉末 | 単回 | ¥4,279.8 | 可 | 可 | 不可 |
ラピアクタ® (ペラミビル) |
点滴 | 点滴液 | 単回 | ¥6,216.0 | 不可 | 可 | 不可 |
ゾフルーザ® (パロキサビル) |
経口 | 錠剤 顆粒 |
単回 | ¥4,789.0 | 不可 | 可 | 不可 |
これ以外に一応新型インフルエンザが蔓延した時用の薬もあったりします。
ということで、今まで記事として取り上げてなかったインフルエンザ予防のことをメインに取り上げました。
どんな病気でも、予防できるのであれば予防するのが一番です。
しんどい思いはしたくないですからね!