全部食後じゃないの? 飲み薬の服用タイミング! 用法について
薬を飲むタイミングってご存知ですか?
あまり薬を飲まない人だと「食事の後だけじゃないの?」と思う方が多いと思います。
薬を飲むタイミングは色々とあります!
所謂”用法”と言われるものですね
今回はこちらをまとめていきたいと思います。
用法の種類
実は食後だけではなく、
起床時、○食後、○食前、食間、○食直後、○食直前、就寝前
と色々な飲み方があるのです。
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起床時
起きてすぐに薬を飲むことを言います。
胃の中が空っぽで薬の吸収が良くなります。
一部の骨粗鬆症の薬では体内への吸収率が以上に低いのですが、食事内のイオンと反応してさらに吸収率が下がる事がわかっているので、胃の中が基本的に何もない起床時に飲む事を勧められております。
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○食後、○食直後
食事を取った後薬を飲みます。
食事をとる事によって薬が胃や腸といった消化管に触れづらくなり、消化管への負担が少なくなります。
痛み止めなど胃に負担がかかるものでは食後に飲む事が勧められています。
また、食事によって分泌される腸液によって薬の吸収が上がるものがあります。
一部のコレステロールを下げる薬は魚の油が主成分となるので、空腹時だと気持ち悪くなる事がある上、食直後でないと吸収量が下がるので、○食直後が勧められております。
食後は大体食事後30分以内、食直後は「ごちそうさま」の時に飲むと覚えましょう。
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○食前、○食直前
食事をとる前に薬を飲みます。
胃を荒らすことが少ないような薬や血糖値を下げる薬では食前に飲むことが勧められます。
漢方薬は食事の前の方が吸収率が良いとされているので、食事をとる前に服用します。
糖尿病薬の薬の一部では、食事による糖分の吸収を少なくする事で、血糖値の上昇を抑えるような薬があります。
この薬を食後に飲んでしまっては血糖値が上がり始めてしまっており、意味がなくなってしまうので食事が始まる前に飲んでもらいます。
また、糖尿病治療薬の種類によっても食前、食直前が別れているものがあります。
食前の薬を食直前に飲むと効果が出て来る前に血糖値が上がる事になりますし、食直前の薬を食前に飲む事で効果が早く出すぎて低血糖症状が現れることがあります!
ちょっとした差ではありますが、効果や副作用の出かたに問題が出るので、注意しましょう!
食前はご飯を食べる30分前、食直前は「いただきます」の時に飲むと覚えましょう。
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食間
文字的には「食事の間」ですが食事の間ではございません!
注意してください!
「食事と食事の間」となりますので、食後2時間程度経過した時を言います。
漢方薬や一部の抗生物質、一部の抗ウイルス薬など、食事によって薬の効果が下がる場合にこのタイミングで勧められます。
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就寝前
寝る前に飲みます。
寝つきを良くする薬は寝る前に飲むのは当たり前ですが、これ以外にも寝る前が進められる薬があります。
効果が出て来るまでに時間のかかる下剤、胃酸の分泌を抑えるような薬、副作用として眠気のあるアレルギーの薬などを寝る前に飲むことがあります。
となります。
これ以外にも指定された時間に飲む薬とか、”頓服”という症状が出た時に飲むという飲み方などもあります。
1日1回飲めば食事関係なくいつでも飲んで良いよといった薬だと基本的に食後に出ることが多いです。
これは冒頭でも少し書きましたが、「薬といえば食後」と思っている方が多いという事もあり、そこで指定しておけば飲み忘れる可能性は他で指定するよりも少ないだろうといった心理が影響しております。
突然食事の前に薬を飲んでくれって言われても難しいですよね?
どうでしたか?
色々あって厄介だと思いますが、基本指示通り飲んでいただければ大丈夫です。
自身で調節して飲んでいる方も中にはいらっしゃいますが、飲み方だけは注意しましょう(^^)
私は飲む必要がない場合は無駄に飲む必要がないと考えておりますが、出される薬は「必要」と思われて出されています。
なるべく飲み忘れる事のないようにしましょう。