抗がん剤の副作用!吐き気
抗がん剤によって起こり易い副作用を紹介して行きたいと思います。
今回は第一弾として吐き気について取り上げます。
みなさん抗がん剤と聞いて浮かぶような副作用ってどんなものがありますか?
おそらく、吐き気、脱毛なんかは良くドラマなどでも出てくるような副作用で、イメージもあると思います。
昔と比べて抗がん剤ごとの吐き気のリスクがわかってきたことや、吐き気止めの開発が進んだりしているので前ほどずっとオエオエしているイメージはなくなってきましたが、病状や感じ方によって吐き気の程度はまちまちなので、人それぞれ対策をする必要があります。
ということで、吐き気についてまとめていきたいと思います。
吐き気が起こる時期
抗がん剤は体内に入れている時だけでなく、それ以外でも起こるって知っていましたか?
実は起こる時期としては
- 急性期
- 遅発性
- 予期性
の3つのパターンがあると言われております。
急性期に起こる吐き気
抗がん剤投与開始後24時間以内に起こると言われていて、セロトニンと呼ばれる物質の関与が高いと言われています。
遅発性に起こる吐き気
抗がん剤投与開始後24時間以降に起こると言われていて、セロトニンと呼ばれる物質だけでなく、サブスタンスPと呼ばれる物質も関与していると言われております。
予期性に起こる吐き気
抗がん剤治療によって過去にひどい吐き気が起こった人が投与前に思い出し、それが引き金となって吐き気が起こると言われております。
このように、発現時期がかわっており、発現した時期によって対策が変わってきます。
吐き気のリスク
現在、抗がん剤はそれぞれ吐き気のリスク毎に分類分けされております。
- 高度リスク
- 中等度リスク
- 軽度リスク
- 最小度リスク
の4段階で分類されております。
高度リスク
抗がん剤投与を行なった人の90%以上の人で吐き気が起こると言われている分類です。
中等度リスク
抗がん剤投与を行なった人の30〜90%の人で吐き気が起こると言われている分類です。
軽度リスク
抗がん剤投与を行なった人の10〜30%の人で吐き気が起こると言われている分類です。
最小度リスク
抗がん剤投与を行なった人の10%未満の人で吐き気が起こると言われている分類です。
このようにリスク分類されており、リスクに応じてある程度の対応策ができています。
吐き気対策
初めて抗がん剤投与を行う患者は投与してみないことにはどの程度吐き気を催すかわかりません。
そのため、まず初めには吐き気のリスクに応じてある程度吐き気止めを選択する必要があります。
最小度では特に対策を行いませんが、軽度ではステロイド薬、中等度ではステロイド薬に加えてセロトニンの活動を抑える薬、高度ではさらにサブスタンスPの活動を抑える薬も加えます。
最近では統合失調症や躁鬱病に使われるような薬も抗がん剤による吐き気に対して効果があるとわかってきたため、一緒に使われることがあります。
また、予期性の吐き気に対してはこれらの薬よりも、気分を落ち着かせる効果のある薬の方が効くのでそのような薬が抗がん剤投与前に使われることがあります。
薬以外の対策
薬以外にも取れる対策がいくらかあります。
あまり飲み薬を増やしたくない人なんかはこういった対策をオススメします。
食事のとり方
消化の良いものを取ったり、固形食を避けるなど、あっさりとした口当たりの良いものは食べやすいかと思います。
ゆっくり時間をかけて、よく噛んで食べると良いでしょう。
におい
人によっては何かのにおいがだけで嗅ぐだけでも吐き気がすることがあります。
炊きたてのご飯の匂いや粥の匂い、魚の生臭さなどで吐き気を催すこともあります。
それ以外でも、特に強いにおいなどは避けた方が良いでしょう。
吐き気のパターン
吐き気が起こった時をメモっておくと、抗がん剤を投与してからいつぐらいになると吐き気が出てくるかわかります。
わかってくると、その間だけ薬を飲むといった対策も取れるので、いつ吐き気が出たかをメモしておくのをオススメします。
ということで、吐き気についてまとめてきました。
また、中等度の抗がん剤を使っていてそれに対する吐き気止めで吐き気がおさまらない人に対しては、高度に対する薬が投与されるなど最終的には人それぞれ、薬が考慮されます。
吐き気が酷いと、気分が悪いだけでなく吐くことで食道が荒れてしまったり、食事が取れなくなり体力が落ちてしまったりしますのでしっかりと対策をしなければならないものです。
毎日吐き気がする生活なんで苦しいので、しっかりとした対策を行って、その上で飲むべきところで吐き気止めを飲んでもらえればと思います。