糖尿病! 血糖値が高いとなんでいけないの?
さて、生活習慣病はご存知でしょうか?
運動や食生活、喫煙、飲酒といった個人の生活の習慣によって引き起こされる病気の総称が生活習慣病と言われ、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気が該当します。
今回はそんな中でも、糖尿病について簡単にまとめたいと思います。
こちらの記事では糖尿病という病態についてまとめております。
糖尿病にかかった場合に使用する薬については別記事で↓
糖尿病とは?
簡単に言ってしまうと、血糖値が高くなってしまう病気です。
では、「なぜ血糖値が高くなってしまうのか」という事が重要になってきますね。
糖尿病というのは、「血液内の糖分を細胞内に取り込むための体内の物質がしっかりと働かなくなったために、糖分が血液内に残ってしまう病気」となります。
「んー」という方もいるかもしれないので、もう少し説明します。
まず、糖分というのは「身体が活動するためのエネルギー源」ですので、血液中から細胞内に取り込まれ、細胞内で使われる必要があります。
この時の、”血液内の糖分を細胞内に取り込むための体内の物質”というのが所謂インスリンと言われる成分となります。
このインスリンの作用が正常な人は”食事によって血液内の糖分濃度が上がった後、インスリンによって細胞内に取り込まれ、エネルギーとして使われる”という経路をたどります。
糖尿病の人はこのインスリンがうまく機能していないので、血液内の糖分濃度がうまく下がらないといった状況になります。
そのため、血糖値が上がってしまうわけですね。
今までのを端的にまとめると、インスリンがうまく働かないので血糖値が上がってしまうという事になります。
血糖値が高いと何がいけないの?
実は血糖値が高くても自覚症状はない場合が多いです。
そのため、”血糖値が高くても何も症状出てないから問題ないよね?”と治療が遅れてしまう事が問題となります。
しかし、高い状態が維持されるとその糖分が少しずつ悪さをしてきます。
さて、血糖値が高い状態が続く事で症状が出てくるわけですが、出てくることにはすでに糖尿病がある程度進行しています。
そんな中でも、比較的早い段階で出てくる副作用としては”口渇・多飲・多尿”と言われております。
- 血糖値が高いので薄めるために飲み物を欲する
- 血糖値を薄めるために飲み物をいっぱい飲む
- 飲んだ分が尿から出る
ということですね。
これだけで終わればいいのですが、さらに進行すると、手足の痺れが取れなくなってしまったり、視力が低下してしまったり、腎臓がやられてしまいむくみやすくなります。
さらに最悪な状態になると、足の切断・失明・透析となります。
それ以外にも、心筋梗塞、脳梗塞、歯周病、感染症にかかりやすくなる等悪い事づくめです。
再生医療の研究が進めば状況は変わってくるかもしれないですが、現在では足も目も腎臓も失ってしまえば戻ってくるものではありません。
機能に関しても一緒です。
そのため、早い段階で治療を始める必要があるわけです。
糖尿病の原因
さて、なぜ血糖値が上がってしまうかと血糖値が上がるとどういった事が起こるかはわかりました。
では次に、”なぜインスリンが働かなくなるか”といった話になります。
これには2つの原因があるとされています。
- インスリンの分泌低下
- インスリン抵抗性
この2つの影響によって、インスリンがうまく働かなくなると言われております。
インスリン分泌低下
インスリンは”膵臓”と言われる臓器で作られており、この膵臓の機能が落ちる事でインスリンがうまく作れなくなるといった原因があります。
私たちも、仕事があっても人手が足りなかったら処理しきれませんよね?
後々紹介しますが、インスリンが全く分泌されない人も中に入るわけです。
インスリン抵抗性
インスリンは十分な量できているけれど、うまく働く事ができない状態です。
人や会社で例えるなら、人手もあって仕事もあるけれどやる気がないといったところでしょうか?
あとは、1つ1つの仕事の労力が多くてうまく片付けていく事が出来ないといったところですかね。
糖尿病の種類
実は、糖尿病は先ほどの原因によって分類されております。
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- 妊娠糖尿病
などがあります。
1型糖尿病
原因は”インスリンの分泌低下”でほとんど出ていないもしくは全く出ていない状態です。
自身の身体で作られた抗体によって膵臓が壊されてしまったりする事で起こります。
そのため、外からインスリンを注射で補う必要があります。
何歳でも発症しますが比較的若年者に多く、症状が出てくるのは急激、痩せ型に多いと言われております。
2型糖尿病
”インスリンの分泌低下”もありますが、主に”インスリン抵抗性”によって血糖値が高くなります。
所謂生活習慣病による糖尿病となります。
食事や運動によって改善をはかり、改善しない人には飲み薬やインスリンの注射が使われます。
中高年に多く、症状が現れずに進行し、比較的肥満タイプの人に多いですが痩せ型でもいると言われております。
妊娠糖尿病
実は妊娠すると血糖値が上がりやすくなると言われております。
胎盤から出てくるホルモンによってインスリンの作用が弱くなると言われておりますので、血糖値が上がりやすくなります。
そのため、普段は問題ない人でもいつも以上に血糖値が上がってします事があります。
ちなみに、妊娠前にすでに糖尿病とわかっている人はこれには当てはまりません。
妊娠中の高血糖の問題点としては、
- 母親
妊娠高血圧、羊水量の異常、難産、通常の糖尿病の病態など - 子供
流産、奇形児、巨大児、心肥大、黄疸など
まぁ親にとっても子にとっても悪い事づくめなのでしっかりと治療する必要があります。
ちなみに、薬を使うことによる子供への影響を最低限にするために、インスリンでの治療となります。
ということで、糖尿病についてまとめてきました。
とはいっても、病気についての段階で結構な分量になってしまったので、薬の話についてはまたどこかで取り上げたいと思います。