迫る"世界エイズデー" HIV、エイズって?
今回はエイズ、HIVについての話。
12月1日は「世界エイズデー」です、知っていましたか?
世界エイズデーは、世界規模でのエイズ蔓延の防止、エイズ患者やHIV感染者に対する差別・偏見の解消を目的として設定されました!
「聞いたことはあるけど詳しくは知らない!」「なんとなく危ないイメージ」「死の病って言われてなかったっけ?」「HIVってAIDS(エイズ)でしょ?」くらいの人も多いのではないでしょうか。
さらに、少し前のニュースにはなりますが、こちらをご存知でしょうか?
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あってはならないことなのですが、なんと病院がHIV陽性だからといって内定を取り消しにするということが起こりました。
古いものにはなりますが、平成7年に労働省から出されている『職場におけるエイズ問題に関するガイドライン』によってHIVだからということが解雇の理由にはならないと定められています。
(雇用管理等)
(7) 事業者は職場において、HIVに感染していても健康状態が良好である労働者については、その処遇において他の健康な労働者と同様に扱うこと。また、エイズを含むエイズ関連症候群に罹患(りかん)している労働者についても、それ以外の病気を有する労働者の場合と同様に扱うこと。 (8) HIVに感染していることそれ自体によって、労働安全衛生法第68条の病者の就業禁止に該当することはないこと。 (9) HIVに感染していることそれ自体は解雇の理由とならないこと。
出典:https://api-net.jfap.or.jp/library/MeaRelDoc/03/htmls/doc_02_29.htm
これをなんと、HIVについても詳しければならない病院がやってしまったわけですね!
一般企業がやっても叩かれ案件なのに、病院て…
病気については知らなくても、経営者だと知っておかなければならない知識などもあります。
これ以外知りませんが…
まぁ昔は”死の病”と言われておりましたが、現在はどうなのでしょうか?
知らないことによる偏見も多い分野になると思いますので、まとめていきます。
HIVとAIDSって違うの?
まずはここの違いから!
HIVとAIDSは別物です、似て非なるものです。
HIV
”Human Immunodeficiency Virus”の略で、ヒト免疫不全ウイルスと呼ばれるRNAウイルスです。
そのため、「HIVがうつる」「HIVに感染する」といった風に言われます。
AIDS
”Acquired Immune Deficiency Syncrome”の略で、後天性免疫不全症候群と言われます。
「AIDSを発症する」などと言われます。
簡単にいってしまうと、「ヒトはHIVに感染した結果AIDSを発症する」となります。
そのため、HIVはウイルスの名前、AIDSはその結果起こる状態となります。
では、HIVに感染するとどうなるのか、AIDSになるとどうなるのかを次にまとめていきます。
HIV感染症の症状や進行
さて、HIVはヒトの体内にあるCD4陽性Tリンパ球と呼ばれる免疫機能に関係する細胞に感染します。
感染すると、まず数週間で急性の感染を起こし、ウイルスの量が体内で増え、インフルエンザに似たような発熱、喉の痛みや腫れ、だるさ、筋肉痛などが起こります。
この症状はある程度するとウイルス量の減少とともに治ります。
しかし、この時体内からウイルスが完全に消えることはなく、何も症状がない時期が5〜10年続きます。
症状がない期間に体内でのウイルス量が増え、その数に反比例して細菌やウイルスなどと戦う血液成分であるCD4陽性リンパ球が減っていきます。
リンパ球が減るため、普段なら病気を起こさないような身体に常にいるような弱いカビや細菌、ウイルスなどでも感染症を起こします。
これを”日和見感染”と言います。
日和見感染後、身体に抵抗力がないので、そのまま亡くなってしまいます。
感染経路
感染経路としてはウイルスを含んだ体液が、粘膜や傷口に直接触れることで、感染する可能性が出てきます。
体液としては、
- 血液
- 精液
- 膣分泌液
- 母乳
などがあります。
粘膜としては、
- 口の中
- 肛門の中
- 膣の中
- 尿道口
などがあります。
そのため、感染経路としては、性行為によるものがほとんどです。
HIV感染症患者の採血や治療に使った針が他の人に刺さってしまうことや、母親から子供にうつる母子感染などがあります。
そのほか、麻薬や覚醒剤の打ち回し、血がつくカミソリ・歯ブラシ・ピアスの共有などでうつる事があります。
まぁ麻薬覚醒剤の打ち回しなんかはうつる以前の問題ですが…
唾液や尿などで感染することはないので、咳やくしゃみ、トイレなど、普通に生活している上では感染することはないので、 その点は安心してください(^^)
予防と治療
HIV感染症になるとどのようになるか、感染経路はわかりました。
それでは、どの段階で予防や治療が行えたでしょうか?
予防
予防はウイルスを体内に入れない事となります。
そのため、性行為をしない、もしくはコンドームを使ったより安全な性行為を行うかになります。
治療
HIVが体内に入って感染が成立してしまった場合には、ウイルス量を増やさないための治療が行われます。
気づいた段階から薬を飲み始めますが、初期の段階で気づけるのはほんの一握りの方になります。
他の性感染症も一緒にうつっていることも多いので、性感染症が疑われた段階でHIVの検査も行われます。
その他、ウイルス量が増えて、日和見感染を起こした時に気づきます。
日和見感染を起こした後でも、薬をしっかりと服用することで、ウイルス量を減らし、リンパ球を増やす事ができます!
最近ではHIV感染症が有名になったので、不特定多数のそれらしい行為が行われた後に検査をしに来る方もいるようになりました。
HIVも生き物であるため、抗HIV薬を長期的に使っていくと耐性を持つようになるため、数種類の薬を同時に使用する方法がとられます。
現在は完治しない病気なので、これを生きている間ずっと服用し続けます。
1日に1〜2回、1回1〜3錠飲むのをずっと続けなければならないので、だいぶ負担ですね(>_<)
現在月に1度の注射の薬も開発されているという話があるので、これが販売されれば、年12回の治療だけで良くなるので、HIV治療の歴史を大きくかえることになるでしょう!
しかし、完治する訳ではないので、薬を使い続けなければならない事には変わりないんですね(>_<)
完治する時代が来るかはまだわかりませんが、来ることを願うばかりですね!
ですが、現在は治療をしっかりと行うことで、HIV陰性の人と寿命がほとんど変わらなくなっています!
医療の進歩万歳!
ということで、来たる12月1日のためにHIVの病態、治療についてまとめてきました。
日常生活を行う上では一切問題ないですし、それで内定を取り消してしまうなど言語道断だということがわかっていただけたでしょうか?
また、エイズの母子感染は今回触れておりませんが、こちらはまた別の機会にまとめたいと思います!
もしも発症したとしても次世代に残さないようにするということで、重要な内容となります。
世界エイズデーに間に合うようにまとめたいと思います(´▽`)
お楽しみに(^^)