病院薬剤師さささっぽのブログ

3年目の病院薬剤師! 薬剤師として未熟者です。わかりやすくをモットーに薬や医療の話をする他、風景、夜景、星空など写真を撮ったものの紹介、雑談もします。

飲み薬が多くて嫌になる! ポリファーマシーとは?

ポリファーマシーという言葉をご存知でしょうか?

聞きなれない言葉かもしれませんが、近年注目され始めた言葉です。

ポリファーマシーとはどのようなことを指すのか、どんな問題があるのかなどまとめて行きたいと思います。

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ポリファーマシーって?

ポリファーマシーというのは、元は英語からきており、多数のという意味のある”poly”薬という意味のある”pharmacy”が組み合わさってできた言葉になります。

なので、直訳すると、”多剤併用”などと表現されることも多いですが、ただ複数の薬を服用している状態を指す言葉ではありません。

何種類かの薬を使っていて、薬同士の作用で患者に悪い作用が出てしまっている状態同じ成分が重複して出てしまっている状態意味もなく薬を継続して飲んでいる状態などがポリファーマシーの問題とされています。

そのため、5種類の薬を飲んでいてもポリファーマシーのこともありますし、10種類飲んでいても問題ないこともあります。

簡単にいうと、「必要以上に薬を使っている状態」を指しています。

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ポリファーマシーの原因

これは複数の原因があると思います。

例えば、胃薬をもともと飲んでいる人に対して痛み止めと胃薬が処方されると”同じ成分が重複して出てしまっている状態”となり、ポリファーマシーとなります。

「え?胃薬減らせばいいじゃん?」と思いますよね?

出している診療科(病院)が違ったり、もらいに行く薬局が違ったり、お薬手帳を持っていなかったり、患者自身が何飲んでいるかわからなかったりと様々な要因が重なることによって胃薬を複数飲む状況が出来上がります。

もちろん、お薬手帳を持って病院や薬局に行っている方は病院で提示して処方が減っているか、医師が見逃しても薬局で提示して処方を止めてもらうこともできます。

お薬手帳便利ですよー(^^)

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そのほかにも、私は薬剤師なので詳しいことはわかりませんが、医者の世界は色々とあるみたいで、自分が処方した薬を他の人が勝手に中止したり変えたりすることを嫌う方もいるみたいで…

どうしても中止いけない時などは中止にしますが、薬剤師が「これやめませんか?」と提案しても、これを理由に断られることはあります。

最近ポリファーマシーのことが言われるようになってきたので、この考え方も変わってきているようですが…

難しい世界です。

 

薬の副作用に対して薬が処方されることもあります。

薬が出る→副作用が出る→副作用に対する薬が出る→薬が増えるというわけですね!

 

 

ポリファーマシーの問題点

もうすでに、問題点はほとんど出ていますが、

  • 薬同士の作用で患者に悪い作用が出てしまう
  • 同じ成分の重複や意味もなく薬を継続するなどで医療費が高くなる
  • 薬が多くなり飲み方がわからなくなるなどで残薬が出てしまう

などの問題点があります。

 

 

 

ということでまとめてきましたが、重要なことなのでもう一度書きます。

薬を何種類飲んでいたとしても、それが必要な薬なのであれば問題はありません。

逆に少なくても、問題があればポリファーマシーとなります。

自分の判断で勝手にやめず、薬を処方している医師へ相談、もしくは最近だとポリファーマシー外来をやっている病院などもあるので、薬が多いと感じる方はそこらへん検討をしてみては?